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石垣で子ども昆虫教室-採取したチョウなど標本に、夜間採取も

標本の作り方を参加した親子にアドバイスする山田さん。右中央

標本の作り方を参加した親子にアドバイスする山田さん。右中央

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 石垣「バンナ公園」で8月5日、子ども昆虫教室が開かれた。同公園は亜熱帯原生林に包まれた沖縄県内最大の県営公園。

採集した美しいチョウやハチを展翅板に止めた

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 毎年夏休み期間中に企画される同教室は、同公園内「世界の昆虫館」館長、山田守さんが講師を務める。小学1~3年生を対象に、昆虫を採集し標本に仕上げることを通じて自然に親しむきっかけ作りが目的。今回は親子21人が参加した。

 公園内を捕虫網片手に1時間30分ほど歩くと、見る角度によって美しい輝きを見せるカラスアゲハ、クロアゲハ、タイワンキチョウ、ツマベニチョウ、スジグロカバマダラなどのチョウのほか、ハチを捕まえた児童も。場所を休憩施設に移し、標本作りに挑戦した。

 展翅板(てんしばん)という板に、羽根の形を整え、専用の透明セロハンを重ね羽根の回りに留め針を止めて完成。親子で仲良く作業する様子が見られた。参加した児童の一人は「自分で捕ったチョウを自分の手で針を刺し、標本にできるのが楽しかった。オオゴマダラを採集できなかったのが残念」と話した感想。アルコール注射でまだ生きているチョウの息を止めると「かわいそう」と漏らす子もいた。

 その場で標本は渡さず、山田さんが2週間ほど乾燥させた後、各自がきり箱に入れて保存する。山田さんは「私が50年以上前の小学生の時に採集した標本は当時の姿のまま昆虫館に展示されている。皆さんもせっかく頂いた命をきり箱に入れて残し、末永く観察してください」と子どもたちに伝えた。

 同教室ではこの日、夜間灯下採集体験も企画。小学生高学年グループの児童らがガを捕まえた。講師を務めた花谷達郎さんは国内未記録のガを、「バンナマルモンヒメハマキ」を命名したばかり。「日頃散策やウオーキングで親しんでいるバンナ公園にこんなに多種類の虫が住んでいることを知り、当公園の素晴らしさに一層の親近感をもってほしい」と話す。

 同公園では、1年間で採集、調査した全ての昆虫約1500種・計約1万5000頭の標本展示「昆虫たち展」も開催中。入場は大人200円、高校生以下50円。8月9日まで。

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