日本最西端の島・与那国で初開催となる「星空観望会」が8月11日、与那国町イベント広場(与那国町)で開催された。
主催は八重山広域市町村圏事務組合。本土では見ることができない数多くの星を観察することができる八重山諸島において、星空を資源とした地域振興および活性化の促進と星空を身近に感じて環境保全意識を高めるのが目的。昨年の波照間島開催に続き2回目となる。
当日は15時頃まで雨が振り開催が心配されたものの、開演時間となる頃には雲の間から次々に星がきらめき、次第に満点の星空となった。
観望会では石垣島天文台の宮地竹史副所長やNPO法人八重山星の会が、高感度カメラの映像を投影したスライドを使い、星座や星に関する知識を分かりやすく解説。天の川をはじめ、夏の大三角(ヴェガ・アルタイル・デネブ)、さそり座、北極星、北斗七星、土星、火星などが観察できた。人工衛星が見えると、「ばっちり動いてる」「はっきり見える」などと歓声が上がった。
会場には町内の子どもたちの願いを込めた短冊が飾られ、与那国町観光協会青年部による飲食ブースも出店。また、観望会前には祖内青年会と砂川オトミ八重山古典民謡研究所の伝統芸能や石垣島出身の平得美帆さんと前花雄介さんによるライブも披露され、会場を盛り上げた。
訪れた人たちは会場に仰向けになりながら夜空を見上げ、時折ジョークを交えた解説に笑いや拍手で応えるなど、ゆったりとした雰囲気の中で繰り広げられるライブや星空鑑賞会を満喫している様子だった。
与那国町出身で現在本島の高校に通う新嵩真美さんは「夏休みで帰省中に観望会があったので来た。普段星空は見ないが、今日あらためて見てすごいと思ったし勉強になった」と話した。
八重山広域市町村圏事務組合の宇保安博事務局長は「波照間に続き、与那国でも星についての催しものが作れたということで喜んでいる。地域活性化事業の一つとして、今後さらに八重山を星で売り出していきたい」と意気込みを見せた。