石垣で野良猫の一斉不妊手術 -「一代限りの命を優しく見守って」

流れ作業で効率良く手術をすすめる獣医師たち

流れ作業で効率良く手術をすすめる獣医師たち

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 石垣で10月12日~18日、猫の一斉避妊・去勢手術事業が行われ、171匹が手術を受けた。

手術を終え、耳先をV字にカットした猫

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 「南の島の猫アイランド事業」として、主催の公益財団法人どうぶつ基金、石垣市、ボランティア団体「石垣島しっぽの会」、市民ボランティア約40人が協働し、環境省、八重山保健所、八重山獣医師会が協力した。

 サザンゲートブリッジ先の緑地公園はまさに「猫アイランド」。橋を渡って帰って来られないことを見越して手に負えなくなった猫をここに捨てる人もいる。公園内でバーベキューをする人も多く、残飯を狙う猫も。いつも視界のどこかに猫がいる状態だ。

 台風接近の影響で、予定を早め12日から捕獲を開始。初日は人慣れをした猫を48匹捕まえたが、その後は捕獲器を仕掛けるなどして地道に捕獲を続け、市役所や図書館など公共施設の周りに住んでいる猫も捕獲。6日間で計182匹をした捕獲。うち、11匹の幼猫を除くオス80匹、メス91匹、計171匹の手術を行った。

 来島した獣医師3人、アシスタント1人と手術を補助したボランティアは、流れ作業で手際よく1匹15分くらいで手術を次々に行い、手術後は国際基準の耳先をV字にカットし、不妊手術済みと見分けを付けた。通常不妊手術の料金は2万円前後だが基金が負担。佐上邦久理事長は「地域の猫として一代限りの命を優しく見守ってほしい」と話す。獣医師の交通、宿泊費、ワクチン、捕獲器などの備品は市が沖縄振興特別推進交付金事業の交付金138万円を充てた。

 手術後の猫を公園に戻すことで、捕獲できなかった猫の繁殖を抑えることができ、全体の数は徐々に減ってくると予測される。幼猫はボランティアが保護預かりし、しっぽの会が里親を募集する。

 同会の早川始さんは「事業に先立ち、島内外に支援を呼び掛け、石垣をはじめ遠くは北海道など全国80カ所からキャリーやケージ、フードやトイレシーツ、中古タオルなどが寄せられ、責任の重さを感じた。協力に感謝したい。この事業は1回限りでなく継続することが大事。今後は地域猫として市民が管理に参加できる態勢を作っていきたい」と話す。

 なお、当初は緑地公園内の野良猫が対象だったが、捕獲と手術が順調に進んだため、同基金の厚意により他の地域の野良猫も手術を行った。

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