石垣で11月25日、「鳥類観察講座 ~はじめよう、バードウオッチング~」が行われ、幼児から大人まで27人が参加した。主催は沖縄県立石垣青少年の家。
講師を務めたのは、八重山で鳥類調査、保護活動を行うカンムリワシ・リサーチ代表で、同施設スタッフの佐野清貴さん。同講座は初の試みで、「春と秋は移動途中の旅鳥が多く見られ、鳥類観察に適した時期」だという。
初めに同施設で事前学習を行い、鳥の骨格の説明や、「鳥類の祖先は恐竜」と説明すると、参加した子どもたちは目を輝かせた。「八重山諸島は旅鳥の渡りのルートで、名蔵アンパルはラムサール条約に基づく湿地に登録された。120種の鳥類を観察できる」と説明した。
佐野さんは、バードウオッチングの注意点として、双眼鏡の選び方や使い方、フィールドノートの書き方などを説明。「最近はデジタルカメラの性能が良く、記録をつけるのに最適だが、観察力をつけたければスケッチをとることを勧める。日付、天気、時間、場所のほか、色、大きさ、何をしていたかをスケッチするといい」と話した。
前勢岳麓の同施設を一周歩き、イシガキヒヨドリ、キセキレイ、シロハラなどを観察した後、水田に車で移動した。水田には黒く細長いくちばしが上方に反り、黒と白のコントラストがきれいな旅鳥「ソリハシセイタカシギ」が1羽おり、参加者たちは100メートルほど離れた所から双眼鏡で観察した。近くにはサギの仲間もおり「シラサギという名の鳥はおらず、アマサギやコサギ、チュウサギなどに分類される」と佐野さん。
参加者の一人は「初めてバードウオッチングに参加した。今まで『シラサギ』だと思っていた鳥が違うと知った。なかなか自分の力で鳥を観察するのは難しく、このような機会が増えれば鳥に対する興味が増えると思う。旅鳥の存在も知り、石垣島で季節を感じさせてくれる生物であることがわかった」と感想を残した。