石垣市は12月27日、核廃絶平和都市宣言1周年記念事業として、2つの碑を新栄公園(石垣市新栄町)内に建立、その除幕式と「石垣市平和フォーラム」を開催した。「石垣市非核平和都市宣言」「石垣市核廃絶平和都市宣言」の碑は一括交付金事業を活用し、「世界平和の鐘」近くに設置された。非核平和の願いを世界に発信することが目的。
除幕式では、戦争やテロで亡くなったみ霊を慰めようと1分間の黙とうをささげた後、中山義隆石垣市長が「2つの宣言は石垣市から世界に向けたメッセージ。碑は市民の目に触れやすく、より身近な存在となることを願いたい」とあいさつ。
この日は「石垣市核廃絶平和宣言」が制定されてからちょうど1年にあたり、起草委員を代表して大浜博文さんは「世代を超えた委員が過去からの教訓を受け止め、一字一句吟味して推敲(すいこう)を重ね、誰にでも理解しやすい文章にした。市民の意識高揚ができれば幸せ」と述べた。広島市長、長崎市長からは「世代を超えて平和の尊さについて考え、宣言文が世界に届きますように」とメッセージが紹介された。
関係者らがかぶせられた白い布を除幕すると2つの黒い碑が現れ、平和の象徴、ハトが空に放たれ、大きな拍手が起きた。
その後会場を市民会館(石垣市浜崎町)に移し、「石垣市平和フォーラム」が開かれた。意見発表として広島平和大使の新本貴梨子さん(石垣中2年)、金城花音さん(大浜中1年)、長崎平和大使の上地海春さん(真喜良小5年)、星 空さん(川平小6年)、親子新聞記者の祖納大樹さん(八島小5年)が舞台に立った。
メーン講話に広島被爆体験証言者の中西巌さんが招かれた。中西さんは67年前の広島に原子爆弾が落とされた当日の出来事を昨日の出来事のように話し、地獄と化した市内を命からがら逃げたと当時の写真や水彩画を用いて話した。「平和の原点は心と心の触れ合い。皆さんが回りの人と優しく心から分かり合い、違いを認め合い、手を取り合って生きていくことが人類を破滅から救う唯一の方法」と訴えた。
生徒会長として講話を聴いた崎原永都さん(石垣中2年)は「当時の悲惨さを新たに知ることができ、あらためて私たちが平和だと感じた。生徒会を通してこの話を皆に伝えて平和を守りたい」と感想を話した。
石垣市のホームページには、2つの宣言文を英語、中国語、アラビア語、スペイン語、フランス語、ロシア語の6カ国語に訳し掲載している。