石垣で現在、国の特別天然記念物「カンムリワシ」にちなんだイベントが行われている。2006年に発足した八重山で活動する鳥類調査・保護団体の「カンムリワシリサーチ」は、毎年旧正月から1週間を「カンムリワシ週間」と定め、カンムリワシに関するイベントを企画し、観察会やカンムリワシの交通事故防止を呼び掛けている。
初日の旧暦1月1日にあたる2月10日には「石垣やいま村」(石垣市名蔵)で「あやぱに(八重山方言=美しい羽根)キッズ隊」が結成された。集まった子どもたちは、画用紙でカンムリワシの帽子を作成し、交通安全を呼び掛けるメッセージなどを書き、頭にかぶった。
同施設には、新石垣空港のマスコットキャラクターでカンムリワシをモチーフにした「ぱいーぐる」が現れ、子どもたちは大喜び。ぱいーぐるは「あやぱにキッズ隊任命書」を一人一人に手渡した。
さっそく同隊は施設に訪れる観光客などにカンムリワシの実物大の写真で作成したクリアファイルや、カンムリワシの見やすい場所で、交通に気をつけてほしい「ロードマップ」、パンフレット「カンムリワシのまもり方」を配布。交通事故防止、安全運転を呼び掛けた。
同施設は「カンムリワシ写真展」会場を設け、中本純一さんが撮影した貴重な生態写真など13点を展示するほか、カンムリワシ帽子作り体験(寄付金100円)を今月17日まで開く。
16日には「カンムリワシ観察会」も行う。8時30分に同施設に集合、カンムリワシや野鳥観察、あやぱに撮影講座などを行い、12時解散の予定。
カンムリワシは国内では石垣島と西表島で200羽程度しか生息しておらず、環境省は「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」として絶滅危惧IA類に分類する。石垣島では今年すでに3羽の死骸を確認、うち2羽が交通死亡事故と見られる。西表島でも3羽の交通事故が起きており、法定速度を守った車の運転を呼び掛けている。