竹富島の「種子取祭」(タナドゥイ=国重要無形民俗文化財)の奉納芸能が10月23日、世持御嶽(ユームチオン=聖域)で行われ、初日は44演目が奉納された。
六百年余の伝統を誇る竹富島の種子取祭は、五穀豊穣や島民の無病息災を祈願する島最大の行事。新暦10月・11月の干支「甲申」から「壬辰」までの9日間にわたって行われ、7日目と8日目に奉納芸能が行われる。今年は国の重要無形民俗文化財に指定されて30年の節目に当たる。
奉納芸能初日の23日は午前9時半ごろから庭の芸能が行われ、棒術や太鼓、稲作を題材に踊る「マミドー」などを奉納。女性の護身術に見立てたとされる「腕棒」では腕を使い力比べする様子をユーモラスに奉納した。玻座間村による舞台芸能では踊り(ブドゥイ)や狂言(キョンギョン)など多彩な奉納芸能が次々に披露された。
祭りのクライマックスにあたる奉納芸能には、観光客など島外からも多くの見学者が訪れた。埼玉から来たという高橋雅子さんは「3度目の八重山で初めての種子取祭。庭の芸能には圧倒された。島の歴史についてもっと知りたくなった」と話していた。
24日は同御嶽で庭芸能と仲筋村による舞台芸能が行われる。