石垣で「黒いダイヤ」と呼ばれる「本マグロ」の水揚げが4月18日から始まった。八重山漁業協同組合は15隻のマグロ船が産卵のため黒潮に乗って北上する本マグロを7月上旬まで狙う。
4月24日の午前に水揚げしたのは、漁を初めて18年、萌丸の高橋拓也船長。今期初の本マグロ出航で、228センチ・268キログラム、202センチ・177キログラムの本マグロ2本と、十数匹のビンチョウマグロ、キハダマグロ、シイラなどを水揚げした。「実はもう一本の本マグロを仕留めたが、バラしてしまった」と残念そう。過去には1出航で最高7本揚げたこともあるという。漁場は「尖閣諸島付近に行きたいが怖くて行けない。波照間島の南方で2日間漁をしてきた」という。
本マグロは同漁協最大の段ボール箱に収まりきらず、頭部の一部と尻尾を切断し、厳重にビニールや氷を詰めて荷造りした。
南(ぱい)ぬ島石垣空港の開港により、魚類を直行便で空輸できるのが大きな開港のメリットの一つと言われていたが、現在はまだ那覇経由だという。「5月には真夏並みの暑さになる。那覇で一度荷が降ろされ、商品価値が下がるのが心配」と高橋さん。
同組合によると先週出荷した本マグロは1キロ当たり5,000円~6,000円で取引されているという。石垣近海は今期が7年に一度の豊漁の周期とされており、関係者も力が入る。
本マグロは本土では「クロマグロ」と呼ばれ、魚体の色と希少価値から「黒いダイヤ」ともいわれる。