豊漁と航海の安全を祈る伝統行事「ハーリー(爬龍船競漕)」が旧暦5月4日(ユッカヌヒー)の6月12日、八重山各地で行われた。
石垣漁港(浜崎町)では郡内最大の「石垣市爬龍船競漕大会」が開かれ、東1組、東2組、中・西組合同の3組が力強い櫂(かい)さばきを見せた。
中国から伝来し、県内各地で発展継承されてきたハーリー。1906(明治39)年に開催されて以来、漁業者や市民により海の一大祭典として継承され、今年で107回目を迎える。当日は30度を超える真夏日の中、大勢の観客が会場へ詰め掛け、水しぶきを激しく上げながら進む精鋭なレースに声援を送っていた。
漁業者による安全操業と豊漁を海神に祈願する「御願ハーリー」は東2組が優勝、わざと舟を転覆させて復元力を併せて競う「転覆ハーリー」は見事なチームワークで東1組が制した。地域を代表してスピードを競う「上りハーリー」では、岸で応援するメンバー同士も熱くなる場面も。パーランクーと声援で盛り上がる中、中・西組合同が優勝し、6連覇を飾った。
一般参加の「団体ハーリー」「マドンナハーリー」「中学校対抗ハーリー」「水産関係ハーリー」では、どのチームも気合と団結力を示すように、そろいのTシャツなどユニホームを着て出場。息の合った櫂さばきで熱戦を繰り広げ、「NFS・川良山」、「石垣波乗りレディース」、石垣中学校の「海人チーム」、「八重山漁業協同組合」がそれぞれ勝利を収めた。
会場では各組の女性部舞踊のほか、市内小学生の舞踊の披露もあり、大会に花を添えた。