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やえやま幼稚園で「リズム体操」-園児とお年寄りが楽しくスキンシップ

川本さんと一緒に元気よく体操を楽しむ園児ら

川本さんと一緒に元気よく体操を楽しむ園児ら

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 幼稚園児と高齢者が触れ合いながら楽しむリズム体操「幼老体操」が6月20日、石垣市立やえやま幼稚園(石垣市登野城)で行われた。

一人ずつお年寄りに肩もみをして互いにスキンシップを図る

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 講師はエデュケーショナル・プロデューサーの川本光さん。スキンシップを取り入れたリズム体操で、幼児期からの健全育成を図る。

 川本さんは脱サラ後、千葉県内に不登校の子どもを支援する「カインドリー・スクール」を設立。年間約3000人の不登校の児童が通い、ラジオや雑誌などメディアでも取り上げられ、話題を集めた。祖父の介護のため一時地元・広島で過ごした後、今年3月に石垣に移住。島内で飲食店を経営する傍ら、ボランティアでの教育活動を続けている。

 同幼稚園での活動は3回目。コミュニケーションには「体を拓(ひら)く」ことが必要という観点から、リズミカルな体操や体の触れ合いを通した会話で、子どもたちとスキンシップを図る。今回は35人の園児と一緒に登野城地区のお年寄り10人も参加。子どもたちの思いやりの心を育て、お年寄りには子どもたちの元気さを肌で感じてもらおうと企画した。

 川本さんが音楽に合わせて体操をして見せると、子どもたちも元気いっぱいに体を動かし、椅子に腰掛けたお年寄りも上半身を揺らしたり手をたたいたりして全員で体操を楽しんだ。握手や肩もみ、手をつないでトンネルを作るなど、スキンシップを取り入れたさまざまな体操を通して互いに交流し、途中からはすっかり打ち解けた様子だった。

 体操を終え、お年寄りの中の一人が「もうすぐ慰霊の日。ここにいるおばあちゃんたちは戦争の中をくぐってきました。皆さんは平和の中で、みんなに見守られてとてもいい事だと思います。みんな仲良く楽しく過ごしてくださいね」と子どもたちにお礼を述べると、子どもたちも感謝を込めて元気いっぱいに歌と踊りを披露した。

 同園の教諭・比屋定光江さんは「川本さんのリズム体操では子どもたちが生き生きとして輝きが見られるし、おばあさんたちにも元気をあげられたと思う。今後もいろいろな人に見てもらい、広く発信していきたい」と同体操の有効性を実感する。

 川本さんは「今の子どもたちは満たされた環境にいるがゆえに自主性や思いやりが欠けてしまったり、おじいさんおばあさん世代にとっては苦労されてきたがゆえに学歴や金銭的な充実を求め、子どもたちの持つ素直さや元気さを忘れがちだったり、それぞれの世代にそれぞれ必要なものがある」として、世代間や人と人とのコミュニケーションを通じた学び合いの大切さを説く。「今一番失われている大切なものを伝えるための懸け橋になればと思っている」とも。

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