今年の五穀豊穣(ほうじょう)に感謝し、来夏世(くなつゆ、=来年の夏)の豊作を祈願する四ヶ字(石垣市石垣・登野城・大川・新川)の豊年祭が7月27日・28日、行われた。同祭は八重山最大の豊年祭で、多くの市民や観光客が見学に訪れた。
27日のオンプールは各字の御嶽で行われ、神司(かんつかさ)が神前に米や酒などを供え、儀式による祈願や、各団体による奉納芸能などが行われた。
28日のムラプールは、新川にある真乙姥御嶽に四ヶ字が集結。御嶽前の道路には各字や団体の旗頭が奉納され、女性たちによるアヒャー綱、ツナヌミン、大綱引きと続き、日が暮れるにつれクライマックスを迎えた。
「五穀の種子授けの儀」では東から農業の神、西から巫女(みこ)が登場。農業の神から巫女に五穀の種子が手渡され、来夏世の五穀豊穣が約束された。その後、女性だけで行う神事「アヒャー綱」ではブルピトゥ(棒貫人)を入嵩西トミさんが務め、神司から渡されたカヌチャ棒を雌雄の大綱に差し込んだ。大綱を結び付けると周囲にいた女性たちが「サァー、サァー」と掛け声を上げ、熱狂的にガーリー(手踊り)を舞った。
その後会場を同御嶽から西側に200メートルほど場所を移した。辺り暗くなるとツナヌミンが行われ、多くの人の手で支える舞台になぎなたと鎌を持った武者が東西から登場し、たいまつが武者の姿を浮かび上がらせた。5分に及ぶ勇壮な演舞は群衆が指笛を鳴らして盛り上げ、「かっこいい」などと歓声が上がった。
最後は地域住民、観光客も交えての大綱引き。「エイショ、エイショ」と全長100メートルもの綱を互いに引いた。結果は西が勝ち、豊作が約束され、豊年祭を締めくくった。
奉納に参加したのは、双葉公民館、大川、石垣、登野城字会、JAおきなわ八重山地区本部、石垣島製糖、石垣中、八重山農林高、石垣市役所など。