石垣で10月14日、「サシバの渡り探鳥会」が行われた。サシバはタカ科で羽根を広げると1メートル20センチほどになる。
バンナ公園内の山の尾根を走るバンナスカイライン沿いには「渡り鳥観察所」があり、16時から行われた探鳥会に老若男女30人が参加した。
日本野鳥の会、宮良祐成石垣島支部長は「探鳥をしながら石垣島の自然の保全を考え、大事なものを感じてほしい」とあいさつすると、すぐにサシバの群れが上空を舞いはじめ、参加者は双眼鏡やカメラを手に観察した。
サシバは日本本土で繁殖を終え、八重山諸島や台湾、フィリピンなどで越冬するために10月に約2週間観察できる。石垣では台風の影響が少なくなった12日から観察され、1日に2000羽を超える日も。
卵の形をした観察所の真上に200羽ほどの「鷹柱(たかばしら)」と呼ばれる群れが上昇気流により形成されると参加者からは「すごい」と歓声とため息が上がった。
参加した市民は「長年石垣島に住んでいるが、初めて見た。ふだんは空を見上げることが少ないので、今後はもっと自然を見る機会を増やしたい」。東京からの観光客は「たまたま石垣島の友人に聞き参加した。まさかこんなに鳥が現れるとは思わなかった。また観察所から見える雄大な景色と自然が素晴らしい」と興奮して話した。
宮良さんは「『4つのみる』を見つけてほしい。観察の『観る』、診断の『診る』、見識の『見る』、看護の『看る』で自然に向きあって」と参加者に訴えた。