石垣・八重山闘牛場(石垣市登野城)で1月2日、新春大闘牛大会が開かれた。主催は八重山闘牛組合。
年に5回開かれる大会の中でも、新春に開催する本大会は観戦者が多く、地元ファンを始め、観光客、帰省客が訪れ、立ち見が出るにぎわいを見せた。名嘉真強組合長は「本島から闘牛を運び大会を増強、11試合を行う。運営も工夫して皆さんを飽きさせず、楽しい大会にしたい」とあいさつ。多くの協賛企業から景品も用意された。
闘牛は2頭の牛が角を組み合わせ、どちらかが戦意を喪失するまで、または制限時間まで戦う。中には16歳、930キログラムの迫力ある闘牛もおり、角と角のぶつかる音に会場からはどよめきも。1頭に1人の闘牛士が交代でつき、「アレハ!」など独特な言葉と、足を地面に打ち付け、牛を扇動した。
封切戦ではじまり、花形戦、6つの指命特番戦、4つの重量に分かれ優勝杯を懸けた争奪戦と最後に横綱戦が行われた。不戦勝同士が急きょ戦う「特番戦」もあり、3時間で計12試合が行われた。
一番場内を沸かせたのは、「明晃ミラクルモーちゃん」対「ガマちゃんパンダ」の戦い。両者とも多くの闘牛士がつき、めまぐるしく交代して大きな声とジェスチャーで牛を扇動、客席からは牛の名を叫ぶ声があちらこちらから聞かれた。勝敗はなかなかつかず、21分にも渡る攻防の末、「明晃ミラクルモーちゃん」が勝利し、殊勲賞を得た。
横綱戦は、沖縄本島から出場した「雷神あつき」が、過去の対戦成績が25勝1敗で貫禄の「辰徳花形」に1分18秒で勝ち、「番狂わせ」とアナウンス。軽量級戦では前大会で新チャンピオンとなった「八重爆弾」が防衛しようとしたが、チャレンジャーの「酋長若力」が1分39秒で勝利を収めた。そのほか、「四男坊」に敢闘賞、「八重山荒鷲」に技能賞が贈られた。
大会終了後には、新チャンピオンの背中に子どもが乗り、写真に収める様子が見られた。中には怖くて泣き出す子どもも。帰省客は「子どもに見せたかった。迫力のある試合が多くて良かった」。地元客は「大きな牛がたくさん出場し、恰好良かった。入場する時にはかわいい目が、試合中には怖く見えた」などと感想を話した。