八丈島をベースに活動する「楽鼓会(らっこかい)」による「八丈太鼓祭り in 船蔵の里」が12月8日、郷土料理店「舟蔵の里」(石垣市新川)で行われた。
八丈太鼓は流人文化の一つだと言われ、1つの太鼓を2人で両面から叩く。1人は下拍子という決められたリズムを叩き、もう1人はそれに合わせて叩くという特徴を持つ。
「楽鼓会」は、八丈島の付属島である八丈小島出身の浅沼宏雄さんが島歌や八丈太鼓を楽しく覚えてもらおうと設立したもので、後継者育成にも力を注いでいる。現在では海外コンサートやワークショップなどを行い、国内外で高い評価を得ている。
同イベントは新城音絵さんと砂川菜穂子さんによる舞台・イベント企画ユニット「いちゅぱな」が企画。砂川さんは東京都出身で、自身が浅沼さんに八丈太鼓を習っていた縁がきかっけとなった。今回は、3月に行われた「おおたか静流コンサート」に続く2回目のイベント。
第1部では、浅沼さんが「八丈太鼓には『ゆうきち』『ほんばたき』『しゃばたき』といわれる打ち方があり、歌もある。これは世界でも珍しいこと」と説明を交えながら、八丈太鼓の独特のリズムを演奏し、太鼓のリズムに合わせて島歌を歌った。
第2部では、子どもエイサー会の太鼓や大川ユンタ保存会による「鷲ユンタ」「月出ぬはなむぬ」、とぅばらーま、島獅子棒術団の棒術、石垣第二中学校郷土芸能部の「みなとーま」「かりゆし」などさまざまな石垣島の郷土芸能が披露された。
また、島獅子棒術団の獅子舞と八丈太鼓のコラボレーションもあり、浅沼さんの力強い太鼓とその音に合わせて踊る獅子の姿に観客からは歓声と指笛が起こった。
地元の塾生による発表会も行われ、慣れないながらも一生懸命に八丈太鼓のリズムを叩く様子に観客からは温かい拍手が送られた。
浅沼さんは「石垣島に行きたいと言った私の言葉を砂川さんが温かく受け入れてくれ、こんな素晴らしい舞台に立てた。感謝している」と話し、砂川さんは「和太鼓に触れる機会と島々の芸能にも触れる機会を持ててよかった。これからもわくわくする企画などをお手伝いしていきたい」と笑顔で話した。