旧暦9月13日に当たる11月5日、八重山の各地で晴れ渡り、今秋3回目の名月「後の十三夜」が観測できると天文ファンらの間で話題になっている。
日本では旧暦8月15日の中秋の名月(十五夜)が最も美しいとされ、次いで美しいのが翌月の十三夜。あわせて名月を愛(め)でる習わしがある。その十三夜の月が、今年は暦の関係で2回出現するという。
十三夜が出現するのは旧暦9月13日。旧暦では3年に1度、閏(うるう)月を挿入して新暦とのずれを調整するため、今年は9月の後に閏9月が入り、十三夜も2回現れる。閏9月の方は「後(のち)の十三夜」と呼ばれ、171年に1度のめったに見られない十三夜とされる。
八重山では、八重山民謡の中でも最も有名な叙情歌「とぅばらーま」の歌詞に「つぅきぃぬかいしゃやとぅかみぃーかつぃきぃ(月の美しいのは十日三日の月)」とあるように13日目の月が最も美しいとも言われ、民謡大会「とぅばらーま大会」も毎年旧暦8月13日の月の下で開催されている。
石垣島での鑑賞時間帯について、国立天文台担当者は「月の出が16時54分。日の入りが18時ごろで、真夜中に月が南に来る。一晩中鑑賞できるが、19時ごろから22時ごろが一番良いのでは」と話す。「前回の閏9月は171年前にあったということになるので非常に珍しいと言える」とも。