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石垣・平得村でミルク神入魂の儀式-12年ぶりの結願祭を前に

12年ぶりにミルク神に魂を込める

12年ぶりにミルク神に魂を込める

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 石垣・平得で11月23日に行われる結願祭を前に、平得公民館(石垣市平得)で11月13日、ミルク神に魂を込める神事「ミルクヌマイヌウガン(ミルク様の御願)」が執り行われた。

供物をささげ、一同で祈願

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 結願祭は、八重山諸島の村々で行われる豊年祭・種子取祭と並ぶ三大農耕儀礼の一つ。神への願いがかなった後にその願いを解いて感謝をささげ、翌年の豊穣と無病息災を祈る、一年を締めくくる祈願ともいわれている。

 平得の結願祭はかつて盛大に行われていたが、1950(昭和25)年以降中断。神年の午(うま)年に当たる2002年、「大阿母(おおあぼ)神職拝命500年祭」と併せて52年ぶりに行われ、今回はそれ以来12年ぶりとなる。入魂されるミルク(弥勒)神は、当日のメーン行事の一つ「ミルク行列」に出現する。

 神事では、ミルクの面が収められている館内の祭壇前に崎原喬館長をはじめ実行委員や関係者らが集まり、神司(神職)の荻堂久子さん、南照さんが結願祭を行うことを報告。続いてミルク面や衣装などを取り出し、祝詞を唱(とな)えて「魂込め」を行った。

 神に祈願が通じたか否かを見る「米粒占い」を行う場面もあり、今回の結願祭を執り行うことや「ミルクヌマイ(ミルク神)」を務める男性についての吉凶が占われた。2人の神司から「上等」と報告を受けると、一同ホッとした表情になり、「良かった」「安心した」と笑顔が見られた。

 神事が一通り終わり、ミルクヌマイを務める男性(76)は「ミルクヌマイは地域の繁盛、豊穣、安全、健康、長寿などを祈るもので、これを全て背負う責任の重さがある。今日これを認めていただけるとの言葉を受け安心したが、同時に緊張している。先祖から受け継いだ責任のある役目をしっかり果たしたい」と意気込みを見せた。

 結願祭は今月23日、大阿母御嶽(平得)を中心に行われる。

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