西表島で発見されていた昆虫2種が日本甲虫学界学会の英語版学術誌「ELYTRA New Series(Voi2 Nov.25 2015)」で新種として紹介された。
論文のタイトル名は「日本産ゴミムシダマシ科甲虫の新種」。発見された昆虫はカブトムシなどの「甲虫」で「ゴミムシダマシ科」に属する「ショウヤマキリマワリ(Plesiophthalmus shoyamai)」と「カンピラツノチビゴミムシダマシ(Pentaphyllus kampiraensis)」。
「ショウヤマキリマワリ」を発見したのは西表島に住む庄山守さん。2015年5月14日に西表島大富林道で発見した。庄山さんは「イリオモテキリマワリにしては7ミリ程度と小さいため珍しいと思い採集した」と振り返る。世界各国の論文などでの検証を依頼し、今回「新種」として公表された。
「カンピラツノチビゴミムシダマシ」を発見したのは秋田勝巳さん。西表島カンビラ滝近くで採集。キノコの中に8頭が生息していたという。秋田さんと庄山さんは共に日本甲虫学界学会に所属する「昆虫仲間」。互いに情報の提供や助言をする研究者同士という。
庄山さんは「西表島は豊かな自然が残され、生物の多様性がある。今回の新種の昆虫の発見は、西表島の学術価値をさらに高め、世界自然遺産登録への後押しにもなる」と先を見据える。
西表島のある竹富町では、自然環境保護条例の起案が進められているが、庄山さんは「禁止地区を広げることで、新種の発見の芽を摘み取ることになることを心配している。自然を守りながらも研究のための活動が維持されることを望んでいる」と話す。