石垣島天文台(石垣市新川)は3月17日、波照間島で撮影されていた部分日食の写真を公開した。
3月9日の部分日食は日本全国で見られ、国内では南の地域ほど欠け方が大きくなる傾向があった。八重山諸島では、悪天候で観測や撮影はできない状態だったという。
撮影したのは、波照間島にある竹富町波照間島星空観測タワー(竹富町字波照間)の親盛早人(おやもりはやと)さん。悪天候で半ば諦めながら空を仰いでいたところ、最大食となる10時17分に太陽付近の雲が薄くなり、欠けた太陽が見えたことから、観測用のフィルターが付いた眼鏡をスマートフォンに装着して撮影したという。
親盛さんは「悪天候だったので、来館者と共に移動する時だった。雲が薄くなり太陽の欠けている状態が確認でき、急いで撮影。一瞬の出来事で、この1枚だけ撮ることができた」と当時を振り返る。
同写真の公表を提案した石垣島天文台(石垣市新川)の宮地竹史所長は「3月9日の部分日食の状態を表すとても貴重な1枚。右下に太陽が欠けている様子が確認できる」と説明する。