黒島の仲本海岸近くに5月28日、H-2Aロケットの先端部分の破片が漂着し、地元住民の宮良哲行さんによって発見された。
宮良さんは「投網を行うために海岸へ行き発見した。初めは飛行機の破片だと思った」という。破片は畳2枚ほどの大きさで配線などが付いていた。
発見後、竹富町と日本ウミガメ協議会附属黒島研究所へ連絡、同研究所が写真を撮り石垣海上保安部へ照会した。海上保安部が関連機構に照会したところ、昨年12月18日に種子島宇宙センターから打ち上げられたH-2Aロケットの一部であることが判明した。破片は衛星を格納するための「衛星フェアリング」という部分で、技術試験衛星「きく8号」を格納していたという。
同研究所の若月さんは「いろいろな漂流物の情報をもらうが、まさか宇宙からの漂着物とは思わなかった」と話した。「衛星フェアリングは大気圏に突入する時に落下する設計で、落下地点まで細かく計算されている」そうで、「海流などを考えてもここまで流れてくるのは珍しい」(若月さん)。
7月ごろに宇宙航空研究開発機構の専門家が、破片に付いている配線などの重要部分の回収のため来島する。現在、破片は同研究所に保管されている。宇宙からの落し物に住民も興味津々のようだ。