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石垣のイタリア料理店「PIZZA DA TUTTI」がフランス発レストランガイドに掲載

(左から)下河原忠道さん、丹治智規さん

(左から)下河原忠道さん、丹治智規さん

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 イタリア料理店「PIZZA DA TUTTI(ピザ・ダ・トゥッティ)」(石垣市白保)が3月18日、レストランガイドブック「ゴ・エ・ミヨ2025日本版」(幻冬社)に掲載された。

「PIZZA DA TUTTI(ピザ・ダ・トゥッティ)」が提供するピザ

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 フランス人ジャーナリストのアンリ・ゴさんとクリスチャン・ミヨさんが1972年に創刊した「ゴ・エ・ミヨ」は、レストランの料理人やサービスに加え、生産者や職人も評価の対象とし、現在世界17カ国で刊行している。今回で第3版となる日本全国版は「テロワール(地域性)」「新しい才能の発見」をキーワードに563店のレストランを紹介する。

 「PIZZA DA TUTTI(ピザ・ダ・トゥッティ)」は、東京やイタリアで修業を積んだ丹治智規さんが2019(平成31)年4月に登野城のマンタ公園向かいにオープン。2023年にシルバーウッド(千葉県)へ事業を譲渡し、これを機に昨年7月、現在の白保にリニューアル移転した。「ゴ・エ・ミヨ」には2023年の日本版で初掲載された。前回と同じくカジュアルでありながら質の高い料理を提供する「P O P」カテゴリで取り上げられている。島特有の湿度と空気に調和し、生地のうまみを引き出した薪窯焼きのピザや地元生産者とのつながりを示す前菜とドルチェなども評価された。

 丹治さんは「島で調達できる食材には限界があるからこそ創意工夫が試される。生産者との距離が近いことが島で料理人をする面白さ。会話の中で新たなレシピのヒントを得ることもある」と話す。「気候変動による影響も実感する」とも。食糧危機などの課題を見据え、フードマイレージの縮小も意識しているという。

 築100年を超える古民家を改装した同店は、歴史を刻む沖縄赤瓦の屋根をそのままに、敷地を囲む防風林のフクギや石塀も引き継いだ。八重山の伝統的な建築様式が分かる外観となっている。

 同社社長の下河原忠道さんは「地域の文化遺産を次世代へ継承するプロジェクトの一環として白保への移店計画を決意した。ゴ・エ・ミヨでは、同じカテゴリに再掲載されることは基本的にないと思うが、移店後の建築や島の原風景が残る地域性なども含めて改めて評価されたのかもしれない」と話す。「価値のある伝統建築と食の技術をこの島で引き継いでほしい」とも。

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