昔ながらの八重山の家並みを再現したテーマパーク「八重山民俗園」が10月1日、「石垣やいま村」(石垣市名蔵、TEL 0980‐82‐8798)と名称を変え開村した。
八重山民俗園は1981年に開園。2003年から沖縄うえちグループが施設を引き受け、同グループ傘下の「琉球村」「琉宮城蝶々園」などと同じ観光施設の一つになった。石垣やいま村の営業主任・永島研さんは「うえちグループが手がけて5年立った。施設内の整備も完了し、新たにスタートしようということで親しみやすい名称に変更した」と話す。
2005年にラムサール条約登録域となった名蔵アンパルと隣接している石垣やいま村。今回、アンパル湿原(マングローブ)への森林浴散策路とウッドロードが完成した。リュウキュウ松林や亜熱帯植物を見ながら散策ができ、トントンミー(ミナミトビハゼ)やベニシオマネキなどマングローブに住む生き物がウッドデッキの上から観察できる。「利点は西表島などと違い、陸からマングローブや生き物の観察ができること。ガイド付きの散策ツアーも実施している」と永島さん。
同村には、国の登録有形文化財である旧士族の屋敷「森田邸」や赤瓦建築様式の「牧志邸」があり、かつての八重山の家並みを再現している。新たに喜舎場邸と大浜邸を市内から移築した。喜舎場邸は1923年に建築され、八重山の歴史・文化研究者で石垣市名誉市民でもある喜舎場永?昧さんの住居。大浜邸は1907年に建築され、早稲田大学7代目総長、沖縄国際海洋博覧会協会長、日本プロ野球コミッショナーの大浜信泉さんの生家である。永島さんは「解体して全ての木材を運び、再度復元した。昔の建物は釘を1本も使っていないので移築ができる」と説明した。
また同村では、事故などで傷付いた特別天然記念物であるカンムリワシのリハビリに協力。環境省などからの許可を得て、カンムリワシの一般公開も行っている。「あえて皆さんに公開することで、事故防止の啓発活動も行っている」(同)という。
永島さんは「マングローブのウッドデッキや八重山の由緒ある住宅2棟の移築復元など整備を行い、より充実したものになった。お客様にも満足いただけると思う。これからも地域と一体化して、八重山の文化、自然に配慮していきたい」と話した。
営業時間は9時~17時30分(受け付けは17時まで)。入村料は、大人=840円(中学生以上)、子ども=420円(3歳以上)。