毎年旧暦8月13日に開催する石垣市主催の「とぅばらーま大会」が9月20日、石垣市民会館大ホール(石垣市浜崎町)で行われ、新本当昭さんが最優秀賞に輝いた。
八重山を代表する情歌で広く人々に愛されている「とぅばらーま」を後世に正しく継承する目的で行われている同大会。作詞の部と歌唱の部があり、歌唱の部は野外で月をめでながら行われるのが通例だが、台風11号の影響で会場を真栄里公園から市民会館に変更。それでも会場には多くの人が集まった。
今年の歌唱の部には島内外から52人の応募があり、関西代表や予備審査を通過した23人が本戦に出場した。年齢も16歳から72歳までと幅広く、それぞれが思いを込め情感たっぷりに歌い上げた。
審査の結果、最優秀賞には新本当昭さんが選ばれ、中山義隆石垣市長から賞状と優勝カップ、石垣市とぅばらーま大使の宮良康生さんから「とぅばらーま大使賞」が贈られた。登野城に住む新本さんは、八重山古典民謡の中でも「登野城風」と言われる大浜用能流の三線の教師。とぅばらーまはそれぞれの歌い方があるが、新本さんは登野城の「揚(あぎ)とぅばらーま」にこだわってこれまで歌ってきた。何度も挑戦しようやく手にした最優秀賞。表彰式後には「ホッとした」と笑顔を見せ、応援に駆け付けた地域の人々や友人らからの祝福を受けた。
この日は、審査の合間には作詞の部の表彰と歴代チャンピオンによる入賞作品の披露があり、最優秀賞の宮野エイ子さん(浦添市)らに賞状が贈られた。
入賞者は以下の通り。
【歌唱の部】 最優秀賞=新本当昭さん、優秀賞=嵩本安意さん、前花啓允さん、奨励賞=垣花賢也さん。
【作詞の部】 最優秀賞=宮野エイ子さん、優秀賞=伊志嶺吉子さん、親盛弘さん、佳作=宮良まさみさん、特別賞=大浜中学校(生徒作品113点)。