沖縄県竹富島にある焼き物屋「アトリエ五香屋」を営む水野景敬さんが5月20日~25日、東京・代官山の「暮らしの工房&ギャラリー無垢里」で陶展「野のうつわ」を開催し、多くのファンが作品を楽しんだ。
水野さんは14歳から本格的に窯業を学び始め、横浜、信楽、笠間で修行。さらに窯業指導所で科学研究を修めてから独立し、アトリエ五香屋を設立した。1996年に竹富島に移住して陶器を制作・販売しており、アトリエで行っている陶芸体験やシーサー作り体験も人気だ。毎年1回、同ギャラリーで開催している展示販売会は今年で6回目を数え、アトリエを訪れたことがある観光客や常連客が多く訪れる。
作品は日常使いの食器が中心で、白地に青い染め付けが特徴。白い砂浜と青い海を表現しており、「野のうつわ」のタイトルのように野性的で素朴さを感じさせるもの。今回、器やワイングラス、鉢物など約30種類300点を展示した。中にはオリーブオイル用のボトルなど、陶器としては珍しい作品も含まれる。
新作として、石垣島の土を使い、弥生式土器に習って焼きしめた器を展示販売。訪れた人たちは器を眺めたり手に取ったりしながら、気に入った食器を買い求めていた。
水野さんは「このような時世の中で、喜んで見てもらえただけでも幸せ。やさしく、楽しく暮らしながら器を作っていきたい」と話す。