インプロシアター「TILT」が石垣公演-劇を通して八重山の海を考える

即興劇で八重山の海を考える

即興劇で八重山の海を考える

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 即興演劇のインプロシアター「海からの『御恩』と『御恩返し』」が9月17日、石垣市民会館中ホール(石垣市浜崎町)で開かれ、訪れた観客たちは次々に飛び出す即興劇を楽しんだ。

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 サンゴ礁保全の普及啓発活動に取り組む八重山サンゴ礁保全協議会が、地域住民にもサンゴ礁保全への意識を高めてもらおうと企画した同公演。石西礁湖サンゴ基金と沖縄県サンゴ礁保全推進協議会から助成を受け、劇団インプロシアターTILTを招いて開催した。

 インプロとは台本や打ち合わせ無しで行う即興劇で、その場で拾い上げた単語や題材を基に芝居を作っていく。TILTのメンバーはまず「何でもいいので、思いついた一言を書いてください」と観客に言葉を書いてもらい、その題材でさまざまなストーリーを作り上げて客席と一体型の芝居を披露した。題材は「海へ来た俺の本当の目的は」「夏の思い出モンブラン」「死んだらだめだ、ピカチュウ!」など脈絡の無いものばかりだが、つなぎ合わせて展開したショートストーリーに場内は爆笑の渦に包まれた。

 「YOUR STORY~海の思い出」と題した劇の前には、「海にまつわる思い出の中で会いたい人はいますか?」と場内に問いかけ、数人の題材を聴取。その中から、幼いころ海で溺れたところを助けてもらい、今は音信不通になった友人に会いたいと話す女性客の話を基に劇を創作した。溺れた場面からその主人公が結婚し、老年に至るまでを即興で演じて「海は恐ろしいが、こうして素晴らしいものももたらしてくれる」と感動的に仕上げた。

 今回初めてインプロ劇を見たという八重山商工高校商業科観光コースの金子千紘さんと下地遥さんは「見ているこっちも楽しかった。すぐに演じるところが驚いたし魅力的に感じた。今年は文化祭があるので、私たちも劇に挑戦したい」と興奮した様子で話していた。

 同協会代表の吉田稔さんは「苦労して劇団を呼んだかいがあった。それぞれがそれぞれの観点で海について考えることができたのではないか」と期待を込めた。

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