旧盆送り日を迎えた8月27日、白保で悪病を払い無病息災を祈願して獅子舞が行われ、多くの観客が獅子舞の迫力を楽しんだ。
白保の獅子舞はまず仏壇の前で地謡が先祖供養の無常念仏を唄い、曲にあわせて獅子使いが登場。両端に玉の付いた縄を使って獅子を呼びだし、獅子は体を上下させながら仏壇にあいさつ。その後、獅子使いが持っていた縄を獅子同士が引っ張りあい、綱引きのような力比べが行われる。
獅子舞は新築の家など招かれた家々で披露され、1歳未満の子どもがいる家では獅子に子どもを飲み込ませる。獅子に飲み込まれた子どもは病気をしないと言われている。子どもたちは人差し指を差し出しながら「れるれ、れるれ、れるれ」と獅子を叫び、中には獅子にかみつかれたり、獅子の下敷きにされたりする子どももいた。
世持さん宅では獅子が縁側から家の中にまで上がりこみ、子どもたちに加え大人たちも驚かせる。大泊さん宅では男の子が飲み込まれたが、泣くこともなく獅子のお腹から出てきて、観客から大きな歓声があがった。
旧盆の送り日、まるで本物のような獅子の姿に、観客は圧倒されている様子だった。旧盆明けとなる28日には旧盆が終わっても残っている霊を集落から追い出すための獅子舞「イタシキバラ」が行われる。