西表糖業西表事業所(竹富町、TEL0980-85-5206)で12月1日、和菓子の老舗「とらや」の羊羹(ようかん)「おもかげ」の販売が始まった。「おもかげ」には西表島産黒糖が使われており、県内での販売は初めてとなる。
「おもかげ」は大正時代からある、とらやを代表する羊羹の一つ。長らく原料に沖縄各地の黒糖を使っているが、30年前からは100%西表島産のものを使っている。西表島産の黒糖は「やさしい味で丸みがある」と同社資材部の星野太郎さん。約90%が亜熱帯の原生林に覆われる自然環境にあり、黒糖作りに山から湧き出る天然水が使われていることから、黒糖に嫌味のないコクが生まれるという。
販売のきっかけは、「自分たちが作る黒糖がどんな形になって販売されているのか、地元の人に知ってもらいたい」という思いから。同社は製造部門の社員を中心に「原材料研修」を実施しており、西表島でも毎年製糖時期である1月ごろにサトウキビの刈り取りや黒糖製造などを体験する。こうした取り組みに加え、販売を通してさらに産地とのつながりを深めていきたいという意味がある。
販売しているのは単品と詰め合わせがあり、「おもかげ」小形羊羹(210円)、同中形羊羹(1,533円)、黒糖小袋(350円)、同小形6本入り(オリジナルしおり入り)(1,260円)のほか、同小形4本入りと黒糖小袋1袋のセット(1,400円)、中形1本と黒糖小袋1袋のセット(2,100円)がある。詰め合わせは西表糖業西表事業所のみでの販売となる。
販売期間は来年4月まで。