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石垣で地域プロデューサー育成ワークショップ-秋田・大館の映画から学ぶ

石垣の地域プロデューサー講座で話す日景賢悟さん

石垣の地域プロデューサー講座で話す日景賢悟さん

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 石垣の大濱信泉記念館(石垣市登野城)で3月17日、「地域プロデューサー育成ワークショップ」が開かれ、映像制作関係者を中心に約20人が参加した。主催は内閣府沖縄総合事務局、特許庁、沖縄県、県産業振興公社。

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 映画を通じた地域プロデュース、まちづくりに取り組む秋田県大館市の事例を学ぶのが目的。講師として、おおだて映像計画有限責任事業組合代表組合員の日景賢悟さんと、映画などのコンテンツを活用した地域活性をプロデュースする「アジア・メディアプロモーション」社長の渡邊竜一さんを招いた。

 2人は同市を舞台にした映画「ハナばあちゃん!!~わたしのヤマのカミサマ~」の製作に携わり、「第2回地域再生大賞優秀賞」を受賞。これまでの映画製作にはない独自のビジネス展開が注目を集めている。

 日影さんは「秋田県は全国的に有名なものがたくさんあり、風光明媚(めいび)で食は豊か、人も優しい。それにもかかわらず人口減少に歯止めがかからない。そんな街を活性化したいと考えていたときに渡邊さんと運命的な出会いがあり、手段の一つとして映画を選んだ。映画を通じて地域資源を演出し『みんなで作ったみんなの映画』をビジネスマンの手法で作りたかった」と振り返る。

 製作から上映するまでの苦労話、アイデア、製作費の捻出方法なども紹介。一般市民のエキストラシーンを大事にする余り役者シーンをカットした話や、いかに金をかけずにマスメディアに映画を宣伝してもらうかなど具体的な体験談を次々と披露し、参加者も盛んにメモを取っていた。

 参加者からは資金面の質問が多く寄せられ、「著作権を地元が保有する形で解決した。自動販売機を宣伝と募金集めの手段とし、映画が初上映されてから1年たった今でも月に数万円を生み出している。DVD販売、映画に出てくる小物も商材となる」など、時間を延長して活発な議論が交わされた。

 上映後の成果については「協賛会社は売り上げが上がり、観光客も増えて新たな名所も生まれた。何より市民の意識、目の色が変わった。次作のリクエストも多数寄せられている」とも。

 続いて渡邊さんが「コンテンツビジネスの現状と台頭するアジア市場について」と題して講演し、「この先どの国の市場と付き合って経済的に元気になるか、映画やドラマロケ地の誘致に石垣島も力を入れていくべきでは」と話す。

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