石垣で宮古島の文化を伝える「漲水のクイチャー会」が4月1日、天川公民館(石垣市登野城)で「結成15周年記念祝い」を開催し、会員や宮古島にゆかりのある関係者らでにぎわった。
同会は1997年結成。宮古島の代表的な踊り「クイチャー」を宮古島出身者らが踊ったことをきっかけに、「宮古の伝統文化を石垣島でも後世に伝えていこう」と発足した。会員約40人で、施設慰問などの活動を行っている。
祝賀会は漲水のクイチャーで幕開け。戦後、家族で宮古島から移住してきたという来賓の川満栄長竹富町長は「宮古の文化はいろいろな所で影響を与えている。良いものは他にも分け与えるのが宮古の文化。これからもぐいぐい引っ張っていく大きな力になってほしい」と激励。同会の西里八江子会長は「クイチャーはかつて島の人を苦しめていた人頭税が廃止されたときに全島人で踊られた祝いの踊り。これからも皆さんと一緒に楽しんで踊りながら大事に受け継いでいきたい」とあいさつした。
平均年齢80歳の会員で構成する「でいご会」が「天川音頭」「根間の主」の踊りを披露。三味線演奏による「とうがにあやぐ」や「平安名の真津小」など次々と披露される歌や踊りに合わせ、会員らも手拍子や掛け声を入れて盛り上げた。
宮古方言のコーナーでは「健康に勝るものはない。皆さん体を大事にしてくださいね」「親の姿をみて子どもは育つ。子どもは大事に育てましょう」などの教訓を宮古訛(なま)りで紹介。面白おかしく表現する姿に会場から笑いが起こった。最後には総立ちとなってクイチャーを踊り、盛況に会を締めくくった。
会結成以前から公園で集まってクイチャーを踊っていたという75歳女性は「宮古から移住して50年。長年携わっている分思い入れがあるし、今日は楽しかった」と満足した様子を見せた。母である西里会長を見守ってきた櫛引和美さんは「私はあまり宮古の文化がわからないが、クイチャーで慰問すると涙を流して喜んでくれる人がいたり、こうして会を開くと皆の顔が優しくなったりする。やっぱりいいものだと思う」と話し、これからの活動に意欲を見せた。