石垣市が「市民防災の日」と定めている4月24日、津波を想定した避難訓練が初めて実施され、避難経路などを確認した。
「市民防災の日」は同市が昨年、1771年に発生した明和大津波を教訓に定めたもので、その日から1週間を「市民防災週間」としている。
昨年の東日本大震災を踏まえ、今年は市内全域を対象に大規模地震による津波災害の発生を想定した避難訓練を計画。同週間中に2回に分けて実施することになり、初日は小中学校、幼稚園、保育所、津波避難ビルと周辺事業所、社会福祉施設などが参加して行われた。
訓練は石垣島南方沖を震源とする震度6弱の地震が発生。大津波警報が発表され、広い範囲の沿岸域において5メートル以上の津波が予測されるとの想定で実施された。
離島航路の発着点となる石垣港離島ターミナルでは、ターミナルや船舶会社、観光業者、港湾関係者など約100人が参加。アナウンスが流れると誘導係が「こちらから避難してください」などと呼び掛けて人々を誘導したり、けが人を担架や車いすで搬送したりした。
津波避難ビルに指定されているホテルにでは、階段から屋上や最上階フロアへ誘導し避難。担当者がそれぞれの名前や職場などをリストに記入し、安全を確認した。
訓練終了後、石垣市消防本部警防課の大浜武課長は「初回としてはスムーズだった。しかし避難経路の液状化などさまざまな状況が考えられる。この訓練を対策に生かしてほしい」と総括。連絡係を担当した安栄観光の島尻俊義さんは「いざというときのために、訓練を積み重ねていくことが大切だと感じた」と話していた。
この日に合わせ、同市では防災情報一斉メールの配信サービスをスタート。訓練中、携帯電話に送られてくるメールをチェックする姿も多く見られた。
今月29日にも全地域を対象とした訓練を実施する予定。