たこでこいのぼりを揚げようと「こどもの日 たこ揚げの集い」が5月5日、石垣・新港地区埋め立て地で開かれた。主催は八重山凧愛好会。
当日用意されたのは全長12メートルのこいのぼり。大だこでつり上げるように揚げ、見事に快晴の空に舞い上がると、参加した子どもや保護者から「こいのぼりが上がった」と歓声が上がった。
このほか同会会員がさまざまなたこを用意。細い竹の骨を縦横にたくさん組み合わせた四角形の「ピキダー」や「八角」などの伝統だこ、ジンベエザメや日本最大のチョウ「オオゴマダラ」をモチーフにした創作だこ、全国各地の珍しいたこ、112枚の連だこで虹のようにアーチを描く「レインボーアーチカイト」などを揚げて、訪れた人の目を楽しませた。持参したたこを揚げたり、作ったりする子どもたちもいた。
「シャクシメーと遊ぼう」では昔ながらのトリックが子どもたちを喜ばせた。シャクシメーはチョウの形をしたたこで、空に浮かべたたこに向かって糸を伝って上昇させることができる伝統だこ。頂点の糸目まで達すると仕掛けが外れて羽が折りたたまれ、手元に戻ってくる仕組みになっている。この仕組みを利用してシャクシメーに菓子箱を設置。頂点で箱がひっくり返ると、集まっていた子どもたちは空から落ちてきた菓子をわれ先にと拾い集めて楽しんだ。
参加した保護者は「たこ揚げは簡単なようで難しく奥が深い。今後も子どもと参加したい」と笑顔で話していた。
同会では1990年から年に数回たこ揚げ大会を開催している。会長の添石邦男さんは「たこ揚げは子どもたちが無事に成長してくれることを願う気持ちを象徴する風物詩。石垣にはたこ揚げに適した場所と風がある」と話している。