石垣の県営バンナ公園(石垣市登野城)とその周辺で5月4日~7日、ゴールデンウイーク企画「お気軽ミステリー自然観察会」が開かれた。
案内役は石垣島谷崎自然探察会の谷崎樹生さん。「自然観察という科学を、生活の中に文化として根付かせたい」と、2003年から活動を続け、今年で10年目を迎える。
同イベントは観察場所を直前まで秘密にする「ミステリーツアー」で、今回はゴールデンウイークに合わせ自然観察の初心者が気軽に楽しめるよう、整備された遊歩道から観察できる場所で実施した。
参加費無料ということもあり、初日の4日には子ども連れの家族など老若男女約20人が参加。「風景の中に隠れている面白いことを探そう」と谷崎さんが声を掛け出発した。人や車が通る沿道でリュウキュウマツを指し「ガジュマルという絞め殺しの木との攻防が見られる。マツを半分ほど覆ったところでガジュマルに力がなくなっているのはマツが毒を出して反撃したからだろう」と解説。「気付かなければ通り過ぎてしまうようなただの風景の中でも、物の見方、考え方のこつさえつかめば自然を楽しむことができる。無数ある真実のほんの一部に気付いてほしい」と自然観察の魅力を伝えた。
道端に咲く草花についても説明。「これはコバナヒメハギという植物。抜いて根の匂いを嗅いでみて」との言葉に早速参加者も手に取り、「湿布の匂いがする」「ルートビアに似ている」などの感想を口にした。
観察会は2時間ほどで集合場所に戻り、谷崎さんは約30種類の植物やサソリ、チョウ、クモなどの昆虫、池にすむ魚など生物の話のほか、公園の管理、植樹の仕方まで幅広く解説した。
参加者は「普段、自然の表面しか見ていないことがよく分かった。今後はさらに注意深く観察をする癖をつけたい」「石垣島で新たな発見があり楽しかった。また参加したい」などと話していた。