石垣で伝統織物を製造・販売する「あざみ屋」(石垣市登野城、TEL 0980-82-3473)が5月4日、ホテル日航八重山(大川)でファッションショーを開催した。プロのモデルが参加する本格的なファッションショーが石垣で開かれたのは初めてで、多くの市民が最新ファッションに酔いしれた。
伝統工芸品である「八重山みんさー織」を受け継ぐ同社。運営する「みんさー工芸館」(登野城)では商品販売だけでなく、織りの歴史や作品を紹介する資料室を設置したり、製作工程の見学コース、体験コースを設けたりして市民や観光客にその魅力を伝えている。
ショーはみんさーの絣(かすり)模様が意味する「いつ(5)の世(4)までも末永く」に掛け石垣市が制定する「みんさーの日(5月4日)」に開催。13.5メートルのランウェーも設置され、約400人の市民が訪れた。
「煌(きら)めき」と題したステージで「七色の海」「大地の恵み」「期待」など7つのコンテンツで作品を紹介。みんさー柄をあしらったシャツ、ジャケット、ブラウス、ワンピース、浴衣、イブニングドレスなど約80点が披露され、観客は一つ一つの作品に大きな拍手を送った。
萌子さん、美佳さんら5人の県内トップモデルが華を添え、優雅に歩く姿を見て観客はうっとり。感激のため息をつきながら見入っている人も多かった。
ファッションショーのほか目玉となったのが、世界的バッグデザイナーの由利佳一郎さんとコラボレートしたバッグ。同社の新賢次社長と由利さんが沖縄県の招聘(しょうへい)事業で出会ったのをきっかけに、みんさー文様を用いたコラボレーション製品を商品化。互いの作品を発表する場として企画されたのが今回のショーだった。
当日は由利さんのトークショーも行われ、バッグの機能性を説明。由利さんは「『いつの世までも末永くお付き合いください』という愛のメッセージを図案化したものは全国でも珍しいのでは」と話していた。
このほかオープニングでは石垣島出身の女性ユニット「やなわらばー」がミニライブを行い、この日のために用意した「みんさーのうた」など4曲を披露。抽選会にはサプライズゲストとして歌手の夏川りみさんも登場し、NHK紅白歌合戦で着用したあざみ屋制作のみんさー衣装を紹介した。