ロンドンオリンピック出場が決まった自転車ロードレースの新城幸也選手は5月8日、凱旋(がいせん)した石垣島で母校を訪問し、恩師や後輩たちから多くのエールを受けた。同日夜には壮行会も行われ、約600人の市民がオリンピックでの活躍に期待を込め大声援を送った。
訪れたのは出身校の登野城小学校、石垣第二中学校、八重山高校。登野城小では全校児童が体育館に集まり、器楽クラブの生演奏で新城選手を迎えた。
「好きなことを一生懸命頑張れば、僕みたいにオリンピックに行けるかもしれない。(競技が行われる)7月28日にはテレビの前で応援してほしい」と壇上から声を掛けた新城選手。児童会長の加屋本梨世さんは「今日は来てくれてありがとうございます。オリンピックに出るのはすごいと思いました。私も何事も諦めない新城選手を見習いたいです。頑張ってください」と感謝の言葉を述べた。
同校の宮良永秀校長は新城選手が5年生のときの担任。「こんなに立派なアスリートになり、誇りに思う。小学生のときも最後まで諦めない努力をする子だった。本番では実力を発揮してメダルを取ってほしい」と教え子の成長に目を細めながら激励の言葉を送った。
児童たちは興奮しながら「日本代表なんてすごい」「かっこいい」「優勝してほしい」と話し、新城選手も子どもたちの元気に終始笑顔だった。
夜に行われた壮行会でも3校の児童生徒が演奏や郷土芸能を披露。急きょ那覇から駆け付けた沖縄自転車連盟会長の森兵次さんが「皆さん、ロンドンに行きましょう」と応援を呼び掛けたほか、大勢の人が新城選手の快挙を祝った。
最後に父・貞美さんと母・るみ子さんが登壇。るみ子さんは集まった人たちに感謝の気持ちを伝え、「こんなすてきなプレゼントをありがとう。感謝の気持ちを忘れず頑張って。お母さんにとっては完走してくれることが金メダル」と目を潤ませながら新城選手に語り掛けた。
新城選手は9日に石垣島を離れ、10日には本拠地のフランスへと旅立つ。