写真展「ラストポートレート~ちいさな命のかがやき~」が現在、石垣市立図書館展示室(石垣市浜崎町)で開かれている。
「明るい老犬介護」「どうぶつたちへのレクイエム」「ラストチャンス!里親という選択」の3部から成る同展。主催は石垣島しっぽくらぶ(TEL 090-2153-7565)で、同展開催を機に発足した。飼い犬や飼い猫を捨てるなど「人間の身勝手さの犠牲となって、命を絶たれる動物たちがいなくなること」を目的に活動する。
写真展開催にあたり、写真は「どうぶつたちへのレクイエム」著者、児玉小枝さんからA4サイズの70点余りのモノクロ写真を借りた。「明るい老犬介護」では、家族の愛と献身的な介護に見守られながら天寿を全うしつつある動物たち、「どうぶつたちのレクイエム」では、保健所に引き取られた犬や猫が、おりの中からつぶらな瞳や怒りの表情を向ける最後の写真。「ラストチャンス!里親という選択」では、幸運にも最後の生きるチャンスをつかみ、人間に引き取られる犬や猫の写真が並ぶ。
併せて、図書館提供の犬や猫に関する本や雑誌、「八重山で救われた命達」と題し、里親に引き取られた犬や猫の写真30点、八重山福祉保健所管内の犬捕獲に関するデータが公表されている。
同団体代表の早川始さんは「3つのテーマの作品に写る動物の置かれた現実や、それぞれの表情の違いを比べることで、動物と共に暮らすことの意味、責任を問い直し、現実を知ってもらいたい。不幸な命を少しでも減らすきっかけとなれば」と話し、今後は保健所と共同で譲渡会の開催や、子どもを中心に動物を捨てないための啓発活動をしていきたいという。
会場には中山義隆石垣市長も訪れ、30分ほどかけて丹念に写真に目を向けた。「飼い犬、飼い猫を捨てるケースが石垣市でゼロになるよう、行政として対策、協力していきたい」とコメント。訪れた男性は「石垣には、犬の放し飼いや飼いきれなくなって捨てる話をよく聞く。そんな人にこそ写真展をみてほしい」と話していた。
開催時間は平日10時~19時(土曜は17時、日曜は16時まで)。入場無料。5月20日まで。