国内では沖縄でしか見ることができない「南十字星」の観望会が5月24日、石垣港新港地区サザンゲート広場で開催された。主催は八重山星の会。
毎年開催されている同観望会。これまで30人程度の参加だったが、昨今の天体ブームもあり当日は約200人が広場に集まった。
南十字星は正しくは「南十字座」といい、1等星のアルファ星とベータ星を含む4つの星で構成される。全天88星座の中で最も小さい星座で、国内では沖縄、特に先島地方でしか見ることができない。石垣島ではクリスマスごろから6月中旬にかけて見られるが、梅雨の晴れ間は特に空気が澄んでいることから、南十字星が真南に来る20時30分から21時30分と「ベストな日時」を選んで観望会は開催された。
南十字星が見えるまでの間、会員が星の探し方やてんびん座、さそり座、うしかい座など次々に現れる星座について解説。参加者はその度に歓声を上げて南の島ならではの天体ショーを楽しんだ。
「今、南十字星が見えています」とレーザーポインターで指された先に4つの星全てが見えると、「おー」とひときわ大きな歓声が上がった。雲間から見えた南十字星に「皆さんはラッキーです。今日のようによく見える日は年間を通して少ないですよ」との説明に拍手も。
同会理事の本成尚さんは「石垣島は88星座のうち84の星座が見える恵まれた場所。一等星が一晩で21個が見えることもある。南十字星は石垣島観光の目玉となりつつあり『伊勢参り』のように、世代を超えて石垣に『星参り』に来てほしい」とアピールする。