石垣青少年の家(石垣市新川)は6月24日、「調べる観察会 鳴き声サクセション」を開催し、市民20人が参加した。
観察会は歩き回るのではなく、その場にとどまり脊椎動物と昆虫の鳴き声を5分おきに記録し、夕暮れから夜にかけて生物の鳴き声が移り変わっていく様子を観察するというもの。
講師は、同施設の佐野清貴さんが務め、まず観察方法を説明した。「初めは何が鳴いているか分からなくて当たり前。こちらで鳴いた直後に毎回生物の名前を言うので、種名と時間の交差するマスにチェックを入れてください」と話し「何度も聞いているうちに自然に覚えます。覚えにくい時は、ウグイスの鳴き声を『ホーホケキョ』というように、日本語に置き換える『聞きなし』というテクニックを使う」とアドバイスした。
観察場所は、施設の敷地内にある芝生で、背後に前勢岳があり、森からはさまざまな鳴き声が聞こえる。日没前の午後7時から1時間半行い、8時を過ぎるころには辺りは真っ暗になり、懐中電灯を付けて記録を続けた。
観察の結果、観察前から鳴いていた「ヤエヤマニイニイ」というセミは、7時55分で鳴りやみ、「ホオグロヤモリ」は、ほぼ全ての時間帯で声が聞こえ、「リュウキュウコノハズク」というフクロウの仲間は、8時を過ぎると鳴き出し、5種類のカエルが7時半から鳴き始めていることなどが分かった。鳥は「リュウキュウアカショウビン」や「シロハラクイナ」など、9種類の鳴き声が聞こえた。
家族で参加した神健太さん(石垣二中2年)は「講師がどんな鳴き声でも聞き分けられるのですごいと思った。注意して耳を澄ませないと何が鳴いているのか判断が難しいので大変だった」と感想を話した。
「初めての企画だったが、興味を持って参加してくれた市民がいてうれしい。定期的にモニタリング調査もしているので、良かったら参加してほしい」と佐野さん。