石垣で6月30日、「沖縄からうた開き！ うたの日コンサート2012 in 石垣島」が開催された。会場には全国各地や台湾からもツアーが組まれ、1万人が「うたの日」を祝った。

1万人の聴衆が「うた」に酔う

　同コンサートは昨年初めて石垣島で開催する予定だったが台風接近により中止。翌日、市民の協力で代替コンサートを開催したが、正式な「うたの日コンサート」としては今年が初開催となる。当日は好天に恵まれた。

　出演したBEGINや、夏川りみさん、きいやま商店、前花啓充さんは石垣島出身。台湾からは「MATZKA（マツカ）」も。そのほか、演歌歌手の清水博正さん、サンシンズジュニア、山口智充さん、劇団三枚肉一座。司会はきゃんひとみさん、川満聡さんがステージを彩った。

　オープニングは石垣第二中学校の吹奏楽・マーチングバンド部が飾り、東日本大震災で、南三陸町の避難所で結成された子どもたちで結成された「サンシンズジュニア」が、真喜良小学校の児童とともに三線演奏を披露した。

　その後、「きいやま商店」で会場を盛り上げ、沖縄は初めて訪れたという盲目の演歌歌手、清水博正さんが演歌や「えんどうの花」を歌った。「劇団三枚肉一座」は、BEGINが提唱する「ブタの音（おん）返し募金」を舞台で表現、台湾から多くのファンとマスメディアを引き連れた「MATZKA」がパワフルな歌声と軽快なリズムでレゲエロックを披露した。

　うたの日初参加の夏川りみさんは、「涙そうそう」など5曲を歌い、山口智充さんが輪唱歌やセミの鳴き声などで聴衆の心をつかんだ。戦後、「歌の心で復興を」を趣旨として開催された伝統のとぅばらーま大会を昨年チャンピオンの前花啓允さんが再現した。

　ラストはBEGINが「三線の花」「オジー自慢のオリオンビール」などで盛り上げ、最後に出演者全員が登壇し「島人ぬ宝」で5時間にわたるステージを締めくくった。聴衆は名残惜しそうに会場を後にした。

　「うたの日」はビギンが「当たり前にある『歌』にあらためて感謝しよう」との思いから「歌を祝う日」として提唱。沖縄で戦争が終わった日とされる6月23日（慰霊の日）の翌日以降の土曜か日曜を同日として、コンサートを開催している。