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石垣に古民家を利用したそば店「まつむとぅ家」-庭に史跡の津波石も

赤瓦の古民家を店舗に利用。庭奥には史跡の津波石がある

赤瓦の古民家を店舗に利用。庭奥には史跡の津波石がある

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 石垣島に昔ながらの古民家を利用したそば屋「まつむとぅ家」(石垣市登野城、TEL 0980-83-4516)が開店し1カ月がたった。

風通しのいい座敷は明るく落ち着ける空間

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 店舗となる民家の面積は約10坪。座敷席・屋外テーブル席合わせて45席を備える。店名はこの家の屋号「まつむとぅ家」から名付けた。店主は平田和子さん、店長は長男の直彦さん。

 店舗は代々続く民家を改造。くぎを使わない梁(はり)組や台湾ヒノキを使った柱、竹で編んだ屋根裏や床など、随所に今では見られない建築技法が施されている。屋根も、50年前に赤瓦にする前は、わらぶきだったという。庭には1771年の明和大津波で運ばれてきた大きな津波石があり、地域の観光コースにもなっている。裏庭に家屋を新築した際に古民家を取り壊そうという話も出たが、4年前に80歳で天寿を全うした4代目家主の直吉さんが、生前「この家は苦労して改築し、思い入れがあるので残していってほしい」と言っていたことから、その遺志を受け継ぐことに。飲食店にすることで古民家を活用することができるうえ、史跡でもある津波石を多くの人に気兼ねなく見に来てもらえると考えた。

 メニューは、かまぼこと三枚肉を甘辛じょうゆで味付けしてのせた昔ながらの「八重山そば」(単品450円、セット500円)、本ソーキを利用した「ソーキそば」(単品650円、セット700円)、「三枚肉そば」(単品650円、セット700円)の3種類。セットメニューには、自家製野菜を利用した小鉢が付く。島内にある畑ではピパーツ(島コショウ)やマンゴーなども栽培しており、翌夏からはマンゴーを店内で手軽に食べられるようにしたいとも考えている。

 開店から1カ月。座敷席でくつろげるため家族連れも多い。「今後は庭も活用しながら、人が集えるような場所にしたい」と和子さん。以前から、地域で貢献された年配の人が落ち着いて集える場・次世代に教えを伝えられる場を作りたいと思っていたという。2代目家主は地域の伝統太鼓を庭で教えていたし、数年前まで居住していた伯母は座敷で毎週歌謡会を開いて集まっていた。座敷には3代目の嫁入りだんすやミンサー織ののれんなども飾り、落ち着いた雰囲気の中に伝統を漂わせる。「一眠りしたい気分のときにお越しいただければ」とほほ笑む。

 営業時間は11時~19時。

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