八重山養護学校と筑波大学特別支援教育センター主催の「特別支援教育講演会」が10月10日、八重山支庁(石垣市真栄里)で行われた。
講演会は、昨年度に同養護学校と同大学特別支援教育センターが連携して行った「e-ラーニングを活用した特別支援教育講義」をきっかけに開催された。
特別支援教育とは、障害のある幼児児童生徒を「どう教えるか」「どう学ばせるか」ではなく、「どう成長していくのか」「どう発達するのか」を本人の主体性を尊重しながら、できる支援を考えていく取り組み。
講演会は筑波大学人間総合科学研究科教授で同大学特別支援教育センター長であり、特別支援教育の権威者として活躍している前川久男さんが「子どもを支えるアセスメント」をテーマに講演。
前川さんは「子どもは子どもでしか在りえない。子どもを見直すごくごく一部の入口としてアセスメントがある」と話した。「それも子どもの全てを知ることはできないので、子どものごく一部を知る方法の一つだと考えてほしい」(同)と特別支援教育で行われる心理検査の一つである「DN-CAS 認知評価システム」について説明。心理検査を参加者が実際に行う場面もあり、参加者は心理検査がどういうものであるかをより理解したようだった。
「心理検査は一つの方法。大切なのは、子どもと大人が一緒に解決することで『どうすれば私はうまくやれるのか』という考える力を目指すこと」と前川さん。
講演は時間いっぱい行われ、参加者たちは最後まで真剣な様子だった。