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八重山平和祈念館で特別企画展始まる-航空機の残骸で作ったアイロンなども

「戦世」に取り込まれていった住民や「アメリカ世」でゼロから出発した沖縄人の歩みを紹介

「戦世」に取り込まれていった住民や「アメリカ世」でゼロから出発した沖縄人の歩みを紹介

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 八重山平和祈念館で1月18日、第13回特別企画展「沖縄人(ウチナーンチュ)が見た戦世(イクサユー)とアメリカ世(ユー)」が始まった。

日本兵の捕虜収容所で回し読みされたという沖縄戦記なども

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 同展は昨年10月から12月まで沖縄県平和祈念資料館で開催されていたものの移動展。2000年4月に開館以来、悲惨な戦争の歴史的事実を風化させることなく、次の世代へ正しく継承し、恒久平和の樹立に寄与することを目的に毎年特別企画展を開催している。

 戦後67年、本土復帰から40年を迎えた本年度は平和についてあらためて考えてもらおうと、戦中・戦後の米国統治下における沖縄と、翻弄(ほんろう)されながらも平和を求めて奮闘する沖縄人を取り上げている。

 18日には開会セレモニーが開かれ、沖縄県平和祈念資料館の宜野座葵分館長は「戦世とアメリカ世における沖縄県民の状況を知ることによって平和の尊さを実感し、今なお続く沖縄のさまざまな問題について考える機会とし、平和で豊かな文化を創造することにつながると願っている」とあいさつ。川満栄長竹富町長、市内真喜良小学校6年の花城菜々子さんらを交えてテープカットが行われた。

 会場では、戦争に至る経緯から戦後の沖縄県の誕生までの社会動向を説明したものや、当時の状況を写した写真・絵画のパネルを展示。戦時中の貯蓄債券や空襲の様子を描いたノート、防空頭巾、投降勧告ビラ、日本兵によりつづられた沖縄戦記や発刊当時の新聞、兵器の残骸から作られた生活用品や米軍統治下の旅券など、貴重な現物資料も多数展示している。展示室内では沖縄戦に関わるビデオも上映。

 開館時間は9時~17時。月曜休館。入場無料。2月24日まで。

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