石垣島北部の平久保で7月10日夜、「サガリバナ鑑賞会」が行われ、約40人が楽しんだ。サガリバナは白やピンクの花を縦に並べて夜に開花し、周辺に芳香を放つ。朝方に落ちる一夜花。1本の木から多くの花が垂れ下がり、8月まで楽しむことができる。
鑑賞会の前には、平久保小学校児童が獅子舞を披露、大きな拍手を受けた。2011年から整備を行ってきた実行委員長の成底正好さんは「サガリバナ群落の発見と、手入れをしてきた米盛ご夫婦に感謝し、サガリバナが観光誘致につながり、地域活性化につながれば」とあいさつした。
群落の発見者であり、「平久保サガリバナ保存会」の米盛三千弘会長は「過疎化が進む平久保地区だが、皆さんが来てくれるということで、小学生による獅子舞も17年ぶりに復活できた。子どもたちにはふるさとの素晴らしさを知り、大人になってまた帰ってきてほしい。サガリバナは台風で散るかもしれないが、すぐに花は咲く。楽しんでほしい」と述べた。
サガリバナの写真を国内に広く紹介する写真作家、大塚勝久さんは「サガリバナの花や樹木を採らない」「サガリバナの里づくり・地域づくりに生かす」「サガリバナの森を子どもたちの未来につなげる」など「平久保サガリバナ保存会」憲章を考案、平良八重子さんが発表した。
日も暮れて辺りが暗くなり、サガリバナを鑑賞。まだ花は咲き始めたばかりだったが、辺りには独特の香りがたちこめ、ミツバチなどが花に集まってきた。参加者は匂いをかぎ、風情ある花を写真に収めた。
サガリバナ群落の周辺整備、ボランティア活動は沖縄県からも評価され、本年度の「沖縄、ふるさと百選」に認定、26万円の助成を受け維持管理に充てる。環境省は、平久保半島で4万3000本のサガリバナを確認。地域を急きょ国立公園化する計画を発表した。