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イリオモテヤマネコが事故死、一度保護した個体で妊娠を確認

事故が起きた道路(西表野生生物保護センター 提供)

事故が起きた道路(西表野生生物保護センター 提供)

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 西表島高那の県道で3月24日、絶滅危惧種、イリオモテヤマネコの死亡個体が確認された。環境省那覇自然環境事務所は、死体回収後の検査で妊娠を確認した。事故は同20日にも起きたばかりで今年2件目。

ヤマネコが頻繁に目撃される地域にモデル区間を設定し看板やフェンスを設置している

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 発見は8時3分に西表野生生物保護センターの職員が発見、死体は大原向け車線路肩に横たわっていた。死体に目立った外傷はなく、前夜に路上で餌を捕る様子が通行者により映像として記録されていることから、同省は交通事故の可能性が高いと見ている。

 この個体は昨年8月26日に高那の県道上で交通事故に遭い保護され、当時の体重は1500グラム。2880グラムまで成長していた。同センターで治療が行われ順調に回復したことから、9月3日、野生に放した。交通事故から野生復帰は初めて。

 個体には小型の発信器を取り付け、毎日調査を行い、移動や行動範囲など生態に関する貴重なデータが収集され、多くの人々に見守られてきた。竹富町と同省はヤマネコが頻繁に目撃される地域にモデル区間を設定し看板やフェンスを設置しているが、その区間で事故は発生した。

 同省は立て続けの交通事故発生という危機的な状況を受け、ポスターを島内各地域に貼るなど、事故防止のために一層の注意喚起を行う予定。竹富町も夜間パトロールと昼間の放送による呼び掛けを実施する。

 同省は「西表島を車で走行する際には、ヤマネコが飛び出す可能性を十分に認識してもらいたい」と呼び掛け、万一、交通事故の当事者となってしまっても、故意でない限り罪に問われることはないので、迅速な救護と今度の対策のためにも同センター(TEL 0980-85-5581)に通報してほしいという。

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