石垣島で育てられたモリンガを原材料とした製品を販売し、モリンガ茶やスムージーなども提供するモリンガカフェ(石垣市字登野城、TEL 0120-499-334)が6月18日にオープンした。場所はさんばし通りの大川交差点、あさひ食堂の南隣。
モリンガは北インド原産の植物でワサビ科に属し、学術名はMoringa Oleifera(モリンガ・オレイフェラ)。栄養成分に優れ、紀元前のエジプト時代から食用や薬用に利用されてきたという。一般の植物の20倍の二酸化炭素を吸収し、エコプラントとしても注目を集めている。温暖な気候であれば荒れた土地でも育つことから、2007年には貧困地域の栄養失調対策作物として国際連合世界食糧計画(WFP)に採用されている。
オーナーの山原博之さん(46)は三重県四日市市出身。石垣島でのモリンガ栽培の拡大に取り組んでいるほか、発展途上国への経済支援にも熱心だ。発展途上国への経済支援のため、サラリーマンを辞め服飾卸売業を起業。「32歳の時に訪れたカンボジアの悲惨な状況を見て、義?心(ぎきょうしん)を揺さぶられた。世界に貢献するためには起業するしかないと思った」と話す。
起業後の経営は順調で当初の目的を実現しつつあったが、家族のアレルギー性疾患が悪化して公害が少ない土地への移住を迫られた。そんな時に出合ったのが石垣島だった。完全に移住するまでに数年を要したが、移住をきっかけにモリンガを知った。現在はアフリカのウガンダとシエラレオネに事業部を持ち、現地のNPO法人などと連携してモリンガの栽培やフリートレードの交易を行っている。
北回帰線付近に位置する石垣島は、年間平均気温が24.3度で真冬の平均気温も19度ほどあるため栽培条件に恵まれている。そのため収穫回数も多く、年に8回採れる。2015年3月には15人の農家が参加して「石垣島モリンガ組合」(砂川拓也組合長)が発足。現在では25人に増えた。
カフェでは、モリンガを丸ごと味わえるスムージー(500円~)などを提供。中でも生葉から作る生モリンガスムージー(700円)は石垣島ならではのものという。モリンガ茶(300円)、モリンガコーヒー(500円)なども用意するほか、モリンガ製品やアフリカのアクセサリーの販売も行っている。
営業時間は10時~18時