石垣島最北部の平野海岸で7月29日、石垣島北部地域子どもパークレンジャー事業の第4回活動「平野のサンゴ礁でシュノーケリング」が行われた。環境省の子どもパークレンジャー事業で、事業実施者はエコツアーふくみみ(石垣市野底)。
「石垣島北部JPR(子どもパークレンジャー)」は、伊原間中学校区(伊原間中学校・平久保小学校・明石小学校・野底小学校・伊野田小学校)の児童生徒を対象とした公募型の自然体験活動。石垣島北部地域は西表石垣国立公園として、海・山・マングローブ域が広く保全されており、貴重な自然が残されている。同活動はカヤック・スノーケリング・登山などの体験を通して、楽しみながら地域の自然の豊かさを学び、保全意識を育むことを目的としている。
数年前のオニヒトデの大発生、今年は高水温によるサンゴの白化現象と、石垣島北部もサンゴにとってはいい状況ではないものの、平野のサンゴ礁ではエダサンゴの群生が見られる。水に入るのがこわく、サンゴの群生地まで泳げない子はカヌーに乗って移動する状況も見られたが、全員海に入ってシュノーケリングでサンゴやサンゴ礁に生きる生き物を観察することができた。
西泊真澄さん(38)は、「シュノーケルをやったことがなかったので、この機会にと子どもと一緒に参加した。海の近くに住んでいても、なかなか海で泳ごうという機会が作れなかった。海にサンゴがあってよかった、泳いでみてとても気持ちよかった」と話した。
西泊海捺人(にしどまりかなと)さん(野底小4年)は、「シュノーケリング初めてやってみた。海はいつも散歩でしか行ってなくて、いつでも海に行けると思っていたけどシュノーケリングをする機会があって本当によかった。いろんな生き物が見られて楽しかった」と話す。
環境省の自然保護官の若松さんは「サンゴに白いものと青いものがあったと思うが、白いのは危険な状態。いい状態のサンゴを覚えていて欲しい、素晴らしい海があるということを覚えていて欲しい」と参加者らに話した。
「今年は海水温の上昇による世界的なサンゴの大白化が懸念され、石垣島のサンゴ礁も決していい状態ではない」と話すエコツアーふくみみの大堀則子さんは、「それでも環境が良好に保たれればサンゴは力強く復活してくる。平久保の海はそんなことを感じさせてくれる人間活動の影響が少なくサンゴ達が大きく元気に育っている場所。石垣島北部に住む子ども達に、サンゴ本来の生き生きとした姿を見て、何かを感じてもらえたらうれしい」と期待する。
次回の活動は10月に、「自然の中から食べ物を探す」という体験を予定している。