元衆議院議員の故・瀬長亀次郎さんの生誕100年を記念した写真・資料展「カメさんのメッセージ」が3月1日・2日、石垣市民会館展示ホール(石垣市浜崎町)で行われた。
瀬長さんは太平洋戦争後、アメリカ軍占領下の沖縄で軍事優先のアメリカ支配の圧政を糾弾し続けた政治家で、立法院議員や那覇市長を歴任した後、1970年沖縄の国政参加選挙で衆院議員に当選。沖縄初となる国家議員となり、以降7期連続当選を果たした。ジュリオ・キューリー平和賞や那覇市政功労賞、沖縄県功労賞などを受賞し、沖縄県民の間では「カメさん」の愛称で親しまれた。2001年、94歳で死去。
同展では、瀬長さんの生い立ちが分かるようにと、「幼少のころ」「ジャーナリスト時代」「人民党弾圧事件」「那覇市長時代」などのコーナーに分けて写真や資料など約300点を展示。瀬長さんの時計や万年筆などの愛用品、愛読書なども紹介された。また、1954年に米国政府の域外退去命令を拒否した沖縄人民党員をかくまったとして同党幹部が逮捕された人民党弾圧事件での獄中日記や手紙、出獄時に着用していたスーツなども展示された。
同1日には、瀬長さんの国会議員時代の秘書で、瀬長さんについて書かれている「沖縄の青春」の著者・佐次田勉さんが「瀬長さんと私」と題して、国家議員時代の瀬長さんについて講演。佐次田さんは「瀬長さんは問題が起これば現場に行く。現場での実物を持って、現場の怒り、思いを国会に伝えようと努力した人。いかに難しい政治の話を県民に伝えるのか考えている政治家だった。これからの日本とどう向き合っていくか、この写真・資料展で考えていただければうれしい」と話した。
前日の2月29日には、瀬長さんの次女・内村千尋さんが「父・瀬長亀次郎を語る」と題して講演したほか、ビデオ「瀬長亀次郎と沖縄の闘い」の観賞会も行われた。