環境省那覇自然環境事務所が1月10日、「石西礁湖(せきせいしょうこ)」のサンゴのうち「全体が死滅した群体」の割合が70.1パーセントに上ったとの発表を受けて、残る3割の生き続けているサンゴを応援する機運が高まっている。
八重山諸島の石垣島と西表島の間にある同海域は、広大なサンゴ礁があることで知られている。同調査は、石西礁湖内35地点で、7月26日~8月17日、9月29日~10月4日、11月28日~12月21日の3回、15分間遊泳観察法(スポットチェック法)で行われた。
「全体が死滅した群体」の割合が、9~10月に実施した2回目の調査時の56.7パーセントより70.1パーセントに増加し、今後死滅することが否定できない状態であることが分かった。
一方で「白化していない群体」は、3.0パーセント(2回目調査)から8.6パーセント(3回目調査)に回復している。併せて「一部のみが白化した群体」「死亡が一部にとどまり白化まで行かずに色が薄い状態を維持している群体」などでも回復の兆しが見られる群体も確認できるという。
世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が運営するサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」のセンター長・鈴木倫太朗さんは「大切なことは3割のサンゴが生き続けているという事実。陸から流れ込む赤土や排水による海水の汚染などを防止してサンゴを復活させるための活動が一番大切なときだと思う。サンゴの回復力を信じて活動を続けていきたい」と意欲を見せる。