石垣市は2月19日、旧石垣空港跡地に建築予定の石垣市役所新庁舎の基本設計説明会を開催した。
2月19日に行われた住民説明会で質疑に答える隈研吾さん(右から2人目)
市は石垣市役所本庁舎と教育委員会舎の老朽化と狭隘(きょうあい)化のため、2014年2月に基本構想を策定。2016年2月、住民投票の結果を基に、空港跡地に建設する基本計画が策定された。建築設計業務委託について公募型プロポーザル方式の公告を2016年5月に行い、8月に石垣市新庁舎建設に係る設計共同企業体を結成。企業代表は隈研吾建築都市設計事務所、構成員となる地元企業は洲鎌設計室。
2020年1月に開庁予定。建築費は50億円で、このうちの7割は地方交付税が充てられる見込み。
新空港へのアクセス道路沿いに来庁者用駐車場として250台余りの駐車が可能。奥の駐車場は公用車・職員専用となり、ヘリポートも設置する。ヘリポートは現在使われているものをそのまま使用予定。身体障がい者用向けに屋根付き駐車場も5台分用意する。
八重山地方に残る集落形式をモチーフに、庁舎中央には市民が集える場所として市民広場を広く配置。市民広場のある1階に市民利用頻度の高い担当部署や食堂やカフェ、売店などをレイアウトする。
2階には専門部署が設けられ、3階には市議会議場などが設けられる。議場はガラス張りになる。吹き抜けの高い天井とメンテナンス性のいいガラス、太陽の暑い日差しを遮るための広い琉球赤瓦の屋根で、トップライトと通風をよくすることで電気使用量が抑えられる見込み。
伝統的な琉球赤瓦を改良し、しっくいで固める代わりに釉薬(ゆうやく)を瓦に塗ることでメンテナンス性を高める。赤瓦が折り重なるアマハジ空間には防風ネットの設置や清掃のためにバルコニーを設置。自然空間とメンテナンス性を重視している。地元の自然素材も多く取り入れ、駐車場にも多くの植栽マスを設け、市庁舎裏には防災公園を整備する。