沖縄県立八重山病院が5月14日、新沖縄県立八重山病院の建築現場(石垣市真栄里)の見学会を行い、市民約60人が参加した。
同病院は2013年7月の台風で受けた建物の被害をきっかけに、建て替えが決まったという。新病院は旧石垣空港跡地に選定された。設計・監理は伊藤喜三郎建築研究所と外間(ほかま)建築設計事務所が行い、建築施工は大米(だいよね)建設・屋部土建・南海建設が行う。
2014年4月には基本設計が始まり、PCaPC造(プレキャストプレストレスコンクリート構造)を採用。同工法は、柱や梁(はり)を設計図に基づき工場でコンクリートを製作し、トラック・船を利用し現場に運び込み、組み立てていく。全て現場で行う従来工法に比べ、工期短縮、型枠工・鉄筋工の人手不足にも対応し、建築強度も増すことができるという。壁は現場で行う従来工法だが、外壁にはシリカを混入することでコンクリートの強度を増した造りとし、建物全体の強度を増す仕組みとなっている。
設計面では、南側に大きく窓を取り、西陽の当たる西側は開口部を狭くし、各病室からも西側にルーバーを長く張り出すことで、西陽を遮る構造になっている。1階には、正面玄関から奥のエレベーターホールまでの一直線状をホスピタルストリートとして各種受付・売店などを配置。一般外来のほかにレストランや緊急外来・こころ科を配置。2階には産婦人科外来・病棟のほか手術室・検査室などが設けられる。3階・4階は病棟、5階は研修室となる。
新病院の敷地面積は、旧病院の約1.6倍となる約4万平方メートル。延べ床面積は同1.4倍の約2.3万平方メートル。病床数は302床。
石垣市街地から石垣空港へ建設中のアクセス道路沿いに立地し、路線バスも同病院前にバス停を設ける予定。同病院の横には新石垣市庁舎が建設される予定。海抜24メートルの同地区は津波避難場所になっている。旧病院の問題点だった駐車スペースも約150台増の511台を予定している。
来年3月末に完工し、夏ごろの開院を予定する。