石垣市にある私塾「沖縄自由学校」(石垣市大川)による一座・風雲が、越後妻有地域(新潟県十日町市、津南町)で開催されている国際芸術展「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2009」に参加する。
「沖縄自由学校」は勉強のほか、音楽や畑仕事なども学ぶ私塾で、浦添市と石垣市に活動拠点がある。今回は石垣の自由学校を手伝っているメンバーが、故郷・新潟の芸術祭に企画書を提出したことがきっかけとなり参加が決まった。
同展は越後妻有地域の里山を舞台に3年に1度開催されているもので、アートを媒介にして地域復興することを目的としている。今年は7月26日から始まっており、9月13日まで開かれる。風雲はそのうち8月7日から9日まで出演。
メーンとなるのは、9日に上演する「四次芸術劇場100人の朗読と音楽の夕べ」。石垣から参加する2人の高校生がピアノ連弾を披露し、沖縄、新潟、関東や関西から成る100人の朗読団が宮沢賢治の「農民芸術概論」を朗読する。このほかにも宮古島の民謡「なり山あやぐ」「人頭税廃止クイチャー」や大兼久潔さんによるファゴット独奏などが行われる。
一座・風雲のプロデューサーを務める同学校代表の川端美和子さんは「出品が決まり、昨年11月から本格的に準備を始めた。『農民芸術概論』は芸術の本質を農民の立場にとった芸術論で、10編からなる散文詩。農民という部分を市民とも置き換えることができ、今をいかに生きるのか訴えていきたい」と述べ、「テーマは交流と交歓。経済的にも社会的にも沖縄と新潟の新しいつながりになればと考えている」と力強く語った。