農水産物の加工・製造・販売を手がける沖縄県内大手の株式会社ホクガン(本社=那覇市)は3月19日、石垣市八島町に建設した「石垣工場」の落成式を行った。
同社施設としては、県内にある本社、糸満加工場、栃木県にある日光工場に次いで4カ所目。マイナス20度と45度の冷凍倉庫、もずく一次加工室、冷凍加工室などを備え、冷凍倉庫の収容能力は1,721トンと八重山郡内最大規模を誇る。
取り扱うのは主に石垣島で生産されたもずく。洗浄、缶詰めする一次加工を行い日光工場へ輸送する。これまでは糸満加工場に運んでいたが、生産地で加工できることでより新鮮なもずくを提供できるようになった。操業開始は収穫が始まる3月下旬からの予定で、6月上旬まで180トンの原料生産が目標。日光工場で製品化されたもずくは「石垣島産もずく」として関東圏に出荷する。
工場にはCAS(キャス=Cells Alive Systems)機能付きの冷凍加工室も整備。細胞を壊さずに急速冷凍できるシステムで、将来はマグロや石垣牛、アグー豚などほかの農水産物も取り扱い、美味しさを保ったまま長期保存できる利点を生かした販路拡大につなげる方針。
落成式に続き市内のホテルで開かれた祝賀会で、同社の上原武市会長は「地元に貢献できるよう、社員一丸となって頑張っていきたい」とあいさつ。同工場の上原満工場長は「地元の食材をより多く県外、海外に出荷できるよう、地元と協力しながら進めていきたい」と意気込みをみせる。